根づく

昨年の12月、庭に芝桜を植えました。北側で日当たりが悪いうえに、植えた直後に霜が降りてしまい、半ば諦めていました。現に枯れてしまったものや枯れてはいないものの成長しているとも思えないものが目立ちました。
芝桜の季節がとうに過ぎた春の遅い日、ふと見ると小さな小さな芝桜がチラリホラリ咲いていました。よくテレビや写真で見る、絨毯を敷きつめたように地面をびっしりと覆う芝桜からは程遠い、か弱いほど控えめな花姿でした。
日当たりを好む芝桜にしてみれば、植えられた時期も場所も恨めしいような状況だった思います。それでも何とか生命を咲かそうと、猛暑を耐え、長雨を乗り越え、ゆっくりですが確実に育ってくれています。
今朝、一輪の芝桜が庭の片隅で静かにほほ笑んでいました。
根づく、とはこういうことなのだと芝桜から教えてもらった朝でした。